「どっぷり自民」だった重鎮の娘 リベラルへ寝返り、世襲批判もかわし参院選で圧勝 「保守王国」で何が起きたのか 自民・公明両党が過半数割れに追い込まれた参院選の投開票から1週間が過ぎた。鹿児島選挙区(改選数1)では立憲民主党推薦の無所属新人尾辻朋実氏(44)が自民元職の園田修光氏(68)、参政党新人の牧野俊一氏(39)ら3人を破り初当選し、自民は長く独占した参院議席の一つを失った。「保守王国」鹿児島で何が起きたのか。各陣営の戦いを振り返る。〈連載・参院選かごしま 民意の行方㊤〉 20日午後8時すぎ。鹿児島選挙区の投票締め切り直後に、尾辻氏の「当選確実」が報じられた。20分後、事務所に現れた尾辻氏は元自民県議で叔母の尾辻義氏から花束を受け取り、目に涙を浮かべた。推薦した立民の国会議員や県議らが両脇に立ち万歳する間、尾辻氏は深々とお辞儀し頭を上げなかった。 自民の園田氏に約6万6000票差をつけ