再生航空燃料の価格補助や利用義務付け、経産・国交が議論着手
経済産業省と国土交通省は25日、再生航空燃料(SAF)推進への官民協議会で、SAFの価格補助や利用の義務付けに関する議論に着手した。海外では空港使用料や運賃にかかる税を原資に価格を補助する例がある。年内をめどに議論をとりまとめる。
廃食油やバイオマス原料から造るSAFは航空業界の脱炭素に不可欠だ。国内の石油元売りが経産省の補助を活用して研究開発を進めているが、ジェット燃料と比べてコストが高い。航空会社にとって導入の負担が大きかった。
経産省と国交省は、航空会社に国産SAFの利用を促すための価格支援策や、導入の義務付けの仕組みなどを議論する。25日の協議会では、海外で空港使用料や「SAF税」を原資にSAF価格を補助する事例が紹介された。日本の空港使用料は諸外国より安く、導入の余地はある。
国際民間航空機関(ICAO)は2050年までに国際線の航空機が排出する二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにする方針だ。欧州連合(EU)は域内の空港で給油する燃料にSAFの混合を義務付ける。英国は空港利用料を原資にSAFの価格補助を実施する。
関連企業・業界