死からはじまる(2)「六道十王図」第2幅(部分)
死からはじまる(2)「六道十王図」第2幅(部分)
この世で肉体が朽ち果てるとき、魂魄(こんぱく)はこの世ならざる世界へと旅立つことになる。死者が三途(さんず)の川を渡ってあの世へ入るという話は、現代人でもよく耳にする。その川には老婆の鬼がいて、亡者の衣をはぎ取り、木の枝に掛け、しなり具合で罪の軽重を計る、というもう少し詳しい話を知る人も、少なくはないだろう。絵は、その老婆の鬼の活動を描いたものだ。が、樹下にはもう一人、鬼がいる。
日本人の死後世…







