JR東日本、運賃引き上げ申請へ 1987年の民営化以来初
JR東日本が2026年3月の運賃引き上げを目指していることが4日、分かった。消費増税に伴う値上げを除くと、普通運賃の改定は1987年の国鉄民営化以来で初めて。全体の値上げ率は数%とみられる。新型コロナウイルス禍で減った通勤客は戻らず、沿線人口も減っている。老朽化する鉄道設備の更新や人材確保に値上げ分を充てる。
年内にも値上げに必要な認可を得るため国土交通相に申請する。改札機のシステム改修などを経て、26年春のダイヤ改正に合わせて値上げする見通し。JR他社では25年4月にJR北海道が約8%、JR九州が15%ほど値上げする予定だ。
人口減少やテレワークの定着で、JR東の運輸収入は新型コロナウイルス禍前の水準を下回る。運行ダイヤの見直しやみどりの窓口の縮小などコスト削減を進めてきたが、利用者の反発も大きい。既存の鉄道インフラを維持するためにも、運賃引き上げによる抜本的な収益改善が不可欠となっていた。
鉄道の運賃改定には国の認可が求められる。特に在来線は通勤や通学といった日々の生活に直結しており、事業者の裁量で値上げしにくい制度設計となっている。今後、国の運輸審議会で認可に向けた審査が行われ、値上げ幅などが議論される見通しだ。
原材料価格や物流費の高騰を受け、食品やサービス、電気・ガスなど幅広い分野で値上げの動きが広がっています。最新の記事をまとめました。