【モスクワ=宮本隆彦】ウクライナのヤヌコビッチ政権は十九日、反政権デモが激化する首都キエフに空挺(くうてい)部隊の派遣を命じた。昨年十一月から続く混乱で軍の投入は初めて。政権が強硬な姿勢を見せたことで野党勢力との衝突がさらに激化する恐れが高まっている。 ロイター通信によると、十八、十九の両日に起きたデモ隊と警官隊の衝突で少なくとも二十六人が死亡した。多くが銃撃による死者とみられる。野党勢力によると、ジャーナリスト一人も腹部に銃弾を受けて死亡した。死者はさらに増える恐れがある。ウクライナ保健省によるとけが人は三百五十人を超えた。 野党勢力は昨年十一月のデモ開始以降、市中心の独立広場に土のうなどでバリケードを築き、活動の拠点としてきた。政権は十八日の衝突で警官が銃撃を受けて死亡したことなどを受け、デモ隊の排除に着手。装甲車や放水車を動員し、十九日朝までに広場の半分程度を制圧し、デモ隊とのにらみ