ソフトバンクグループの投資ペースが急加速している。ビジョン・ファンド2号の出資先企業数は今年、前年に比べ5倍に増えた。短い期間に多くの案件を扱うため、投資先事業の査定の精度や意思決定のプロセスに懸念の声が出ている。 ブルームバーグの集計によると、ソフトバンクGが自己資本で出資する2号ファンドは年初から9月末までに115件に投資した。10兆円規模だった1号ファンドを超えたことは、孫正義社長が米ウィーワークや金融業者グリーンシルなどの失敗から立ち直り、投資判断に自信を取り戻していることを示唆している。 一方で、特に幹部級人材の流出が続いており、案件成立のペースが速まると、孫氏が投資判断において同じ轍(てつ)を踏むリスクが高くなるのではないかとの懸念も生まれる。昨年3月以降、7人のマネジングパートナーが退社しており、 直近では人工知能(AI)に詳しい上級幹部のディープ・ニシャール氏が年末までに退