米アマゾン・ドット・コムは、10年にわたり進化が停滞し、巨額の赤字事業と化していた音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」の抜本的な事業再建に乗り出した。 陣頭指揮を執るのは、元米マイクロソフト製品開発責任者のパノス・パネイ氏。同氏の指揮の下、今夏にも生成AIを搭載した有料版「Alexa+(アレクサ・プラス)」の本格展開を始め、長年の課題である収益化の実現を目指す。 ■10年の停滞、AIで再起へ お荷物事業からの脱却2014年に登場したAlexaは、当初、未来のIT(情報技術)インターフェースとして脚光を浴びた。しかし、その後の進化は限定的で、ユーザーの用途は天気予報の確認やタイマー設定といった単純な機能にとどまっていた。 アマゾンは、赤字覚悟でスマートスピーカー「Echo(エコー)」を安価に販売し、自社のEC(電子商取引)サイトでの消費を促す戦略を描いたが、この事業モデルは機能せず、デ