里人の言伝えによると、ぬる湯温泉は享保年間(1716-1735)に存在が知られていたというが、深山幽谷の場にて利用する者は稀であったと思われる。享和三年(1803)当家の祖「傳四郎」が桜本村(現福島市)から譲り受け、湯治者を受け入れた。四代目「清三郎」の時明治戊辰(1868)により宿舎は官軍により焼却された。現在の建物は明治・大正・昭和にわたり建造されたもので、最も旧い棟は明治5年(1872)頃の建築と伝えられている。 福島駅より西へ約18km。磐梯朝日国立公園吾妻小富士の東麓標高920mに位置し、ケータイも通じぬ自然の真ん中にあり、高山植物も数多く自生している。その趣に通年営業を求る声も多いが、何分雪深い位置にて4月下旬より11月下旬の営業となる。 ぬる湯温泉の泉質と効能 ■泉質は「含アルミニウム泉」温度32度。(旧泉質名「含緑ばん、酸性明ばん泉」) ■古来より「眼病」「皮膚病」「化膿症