大きく張り出した木の根の陰から顔をのぞかせてうんちをするノドチャミユビナマケモノ。(PHOTOGRAPH BY DOUG PARKER / NATIONAL GEOGRAPHIC) 何世紀もの間、ナマケモノに初めて出会った人々は彼らを笑いものにしてきた。1526年、スペインのコンキスタドール(征服者)、フェルナンデス・デ・オビエドは新世界の熱帯で目にしたナマケモノについて、「醜く」「使い道もない」「世界で最もばかな動物」だと書き残している。フランスの博物学者ビュフォン伯ジョルジュ・ルイ・ルクレールも1749年にナマケモノを「最低の存在」と呼び、「もう1つ欠点があれば生きていくのは無理だろう」と言っている。 少なくとも5000万年は存在している動物に対し、あまりのこき下ろしようだ。 確かにナマケモノは視力も聴力も弱い。動きも非常に鈍く、最も動きの遅い哺乳類だ。しかし、彼らのゆっくりとした動き