安倍晋三元首相が死亡した銃撃事件で、山上徹也被告(45)の公判が間近に迫った。事件をきっかけに注目を集めた政治と宗教の関係について、文教大教授の塚田穂高さん(宗教社会学)に聞いた。 安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけとして、政治と宗教の関係にいっそう厳しい目が向けられた。長年にわたり問題と被害を積み重ねてきた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、解散命令(法人格の剥奪)の審理が進む。だが、解散となってもそれで問題が全て解決となるわけではない。今後も政治との関わりを注視していく必要がある。 見過ごされた被害 銃撃事件は、山上徹也被告の母親の献金を巡る、旧統一教会への恨みが直接のきっかけとされる。被告の行為は何ら正当化できない。ただ、こうした悲惨な事態が起きないよう止められなかったのか、と考えてみる必要がある。 なぜ、社会も政治も、解散命令請求にまで至るような被害や問題の蓄積を見過ごし続け